ツイッターやブログなどで一般の人が税金(節税)について情報を発信しているのをよく見かけます。
おそらくその人にとっては正しい情報を発信しているつもりだと思うのですが、その情報のみを信じて、自分にも当てはまると思わないようにしましょう。
一般の人の情報は、ほとんどが自分の経験に基づいている
一般の人が節税に役立つと思って発信している情報は、その人の経験に基づいているものがほとんどです。
税金は、人によって違いますし、状況によっても変わってきます。
例えば、次のような情報をよく見かけます。
・妻を専従者にして給与を支払おう
・車は4年落ちの中古車を買おう
・小規模企業共済やiDeCo(個人型確定拠出年金)に加入しよう
・社長の自宅が賃貸なら社宅として法人契約にしよう
・生命保険で節税しよう
・領収書があれば経費になる
・売上が1,000万円を超えたら法人成りしよう
よく見かけるものをあげたつもりですが、まだまだたくさんあるでしょう。
これらには、確かに税金が減る要素があります。
しかし、いつでも、そして誰にもあてはまるものではありません。
例えば、妻が他の会社で働いている個人事業主が、「妻を専従者にして給与を支払おう」という情報を読んで、給与を支払ったとします。
基本的には、他の会社で働いている人は専従者にはなれませんので、この場合、夫が妻に給与を支払っても、その給与は夫の経費にはなりません。
つまり、節税にはならないのです。
このように、上にあげたものは、それぞれに節税になる条件があって、その条件がそろったときに、節税と言えるようになります。
その条件が整っていないのに、自分にも当てはまると思ってしまうと節税ではなく、ただお金が出ていくということにもなりかねません。
一般の人が、ツイッターやブログで条件を正しく書くことは簡単ではありません。
一般の人の情報を読んでいいなと思ったら、少なくとも、専門家も同じことを言っているかどうか確認するようにしましょう。
専門家で同じことを言っている人が全く見つからない場合、その情報は間違っている可能性があります。
専門家は体系的な知識があり、経験もある
専門家は税金について体系的に学んでいます。
体系的に学んでいることによって、全体がわかります。
一般の人は、部分的な知識はあるかもしれませんが、体系的な知識ではないため、その情報が正しいかどうかがわかりません。
税金は部分的に考えることも必要ですが、全体を見て考えなくてはいけません。
また、専門家には経験があります。
多くの人の税金に関わってきているため、経験で全体像がわかるようになります。
ですから、税理士に申告業務を依頼すると、税理士はお客様の全体像を把握しようとします。
色々な情報を把握しないと、ベストな選択ができないからです。
部分的に見た答えと、全体像を考えたうえでの答えは違ってくることは珍しくありません。
さらに言うと、税金のことだけを考えていてもベストな答えは出ません。
資金繰りのことや、社会保険のことなど、様々なことを考える必要があります。
まとめ
ツイッターやブログで、一般の人が発信している節税に関する情報を読むたびに、「この情報が全てだと思わないで欲しいな」と思うことがよくあります。
全体を把握して、税金が一番安くなる方法を選択することは、そんなに簡単なことではありません。
だからこそ、税理士という専門家の存在価値があります。
もちろん、個人事業主であれば、自分で申告することは可能です。
人によっては、税理士に依頼した場合の報酬と、それによる節税額を比較すると、専門家に依頼した方が高くつくという人もいるでしょう。
全ての会社や個人事業主が、税理士に依頼すべきと言っている訳ではありません。
税金については、一般の人が発信している情報と、専門家が発信している情報は別のものだと思った方がいいかもしれません。
もし、一般の人の情報で良いと思ったものがあれば、国税庁や専門家のホームページでも確認するようにしましょう。
【編集後記】
今日は電話で相続税に関するお問い合わせがありました。
相続税については、申告は必要だけれども税額が発生しない、あるいは税額が少ない人のための料金設定を考えた方がいいかもしれないと思いました。
近いうちに、ホームページに料金を公開しようと思います。
【福浦メーター 1991本】
昨日はヒットを1本打ったので、2000本安打まで残り9本となりました。