独立の準備に必要なものには色々あります。
その中でも、独立してもやっていける力は大切なものだと思っています。
わたしは、勤務時代に、「独立できないのではなく、独立をしないんだ」と思って働いていました。
この言葉の裏には、もし、独立をしたとしたら、やっていけるだけの力を身につけるんだという意味があります。
町の税理士の前提にあるもの
わたしは町の税理士として、税理士の一通りの業務を行っています。
業種にこだわりませんし、所得税、法人税、相続税も満遍なくやります。
偏っているとしたら、小規模企業や個人事業主に偏っていると言えます。
相続税に関しても、比較的小規模な案件がきます。
わたしが町の税理士として一通りの業務を行っている前提として、勤務時代にそれだけの業務をできるだけの力を身につけてきたということがあります。
ですから、「何でもできるは何もできない」と言われるのは好きではありませんし、そうではないと思っています。
勤務時代に法人しかやってこなかった、あるいは個人事業主しかやってこなかった、相続税しかやってこなかったということであれば、独立してすぐに町の税理士として、一通りの業務をこなすことはできなかったかもしれません。
14年間の勤務時代に一通りのことをやってきたからこそ、独立してすぐに町の税理士として一通りの業務をこなすことができていると考えています。
そして、それはただ一通りの業務をこなしてきたというだけではなく、独立をしてもやっていけるだけの力を身につけようと思って働いていたからこそのことだとも思っています。
勤務中に、独立後に必要な力を身につけることはできる
勤務時代と独立後の経験は全く違うという人もいます。
独立後の経験は勤務時代の比にならないという人もいます。
そういった一面があることも認めますが、勤務時代の経験が役に立たないということはありません。
むしろ、とても役に立つと思っています。
税理士の場合、独立する人の方が仕事ができて、勤務をしている人の方が仕事ができないと思っている人も一定数以上いると思います。
わたしは独立をしないと思って働いていた時期が長くありました。
そういった考え方が嫌だったので、「独立できないのではなく、独立をしないのだ」と思っていました。
また、「もし独立をしたとしたら、十分にやっていけるだけの力を身につけよう」と思って働いていました。
ですから、いざ独立をするとなったときは、今まで考えていたことが正しかったことを証明するチャンスだと思いました。
実際に独立をしてみて、勤務時代の経験がとても役に立っています。
自分で申告書を作成した回数は300件以上はあるでしょう。
申告書をチェックした件数は1,000件くらいあるかもしれません。
年間に100人以上の経営者の方と打合せをした年もありました。
新規案件の対応や、不動産会社や金融機関からの紹介案件の対応、新設法人や税理士変更などなど、様々な業務を経験しました。
これらのことが大きな力となっています。
もちろん、独立をしないと経験できないこともあるのですが、勤務時代に経験できることは意外と多いものです。
勤務時代の経験を軽く見ていると、独立をしてから足元を救われることがあるかもしれません。
まとめ
人間には寿命があり、働ける期間は限られています。
ですから、早く独立をした方がいいという考え方もあります。
しかし、勤務時代の経験に意味がない訳ではありません。
自分の考え方や仕事のやり方次第で、勤務時代に貴重な経験を積むことができます。
今は勤務をしているけれど、いつかは独立をしたいと考えている人がいるならば、「独立できないのではなく、独立をしないんだ」という考えで働いてみてはいかがでしょうか。
【編集後記】
「MFクラウド」のサービス名称が、「マネーフォワードクラウド」に変更になりました。
口に出して言うときはまだしも、書く際には長くなって不便かなぁと思います。
略してMFクラウドって書いても伝わるだろうから、問題ないかな。
週末に伊勢神宮に行きました。
赤福本店は混んでいたので、外宮前特設店で赤福餅を食べておいて良かったです。
アイキャッチ画像は、お召し上がり「盆」2個入り番茶つき210円(税込)で、美味しく頂きました。