少し前に話題になった年金の2,000万円不足問題。
年金だけでは生活できない、あるいは生活が苦しいというのは以前からわかっていたことです。
そもそも、厚生年金は、現役世代の手取り収入の50%を維持するように設計されています。
現役世代の手取り収入の50%で生活できる人は年金だけで足りるかもしれません。
しかし、それだけでは足りない人も多くいますし、もう少しいい生活をしたいと思う人もいるでしょう。
そうなると、年金以外に自分でお金を貯めておかないといけないというのは、当然のことでもあります。
また、これは厚生年金の加入者の話であって、自営業者の人で国民年金の加入者の場合は、もっとお金が足りなくなります。
いきなり、2,000万円とか3,000万円のお金が足りないというと、大変なことですが、そのお金を20年から30年かけて貯めればいいと考えると、少し気は楽になります。
そして、20年から30年かけてお金を貯めるために、国が税制上優遇してくれる制度もあります。
今回は、老後の足りないお金が多くなる自営業者を想定して書きます。
税制上の優遇を利用して、時間をかけてお金を貯める
今回は、不足するお金が3,000万円と仮定します。
あくまでも、必要なお金は人によって違うということは忘れないようにしてください。
自営業者が老後のお金を貯めるために税制上優遇されている制度で利用できるものは以下のようなものがあります。
・小規模企業共済
・iDeCo(個人型確定拠出年金)
・つみたてNISA
基本的にはこれらの制度を利用してお金を貯めていきましょう。
3,000万円を20年で貯めようと思ったら、月に125,000円ずつ貯めていけば、元本で3,000万円に達します。
・小規模企業共済 月50,000円
・iDeCo 月50,000円
・つみたてNISA 月25,000円
この場合、上記のような組み合わせで月125,000円になります。
月125,000円貯めるというのはかなり大変です。
しかし、小規模企業共済とiDeCoには節税効果があります。
所得税と住民税を合わせた税率を30%とすると、年36万円の節税効果になります。
これを考慮すると、毎月貯める額は、実質的には95,000円で良いということになります。
さらに、iDeCoやつみたてNISAは運用次第でお金が増えることが予想されます。
具体的な金額は書きませんが、年3%で運用できるとしたら、もう少し少ない金額で、3,000万円に達することができるでしょう。
20年でも、月に10万円にいかない金額で3,000万円を貯められるということがわかりました。
では、30年あったとしたらどうでしょうか。
3,000万円の元本を30年で貯めようと思ったら、毎月83,333円貯めれば良いということになります。
それぞれの組み合わせでいうと、下記のようになります。
・小規模企業共済 月30,000円
・iDeCo 月30,000円
・つみたてNISA 月23,333円
先ほどと同じように、税率を30%として節税効果を考慮すると、毎月の実質の積立額は、 65,333円になります。
30年かければ、3,000万円を貯めることは可能だと思えるようになったのではないでしょうか。
こちらも運用次第では、もう少しお金を増やすことができるでしょう。
いつまで働くかによって貯められる期間が違ってくる
では、20年かけて貯める、あるいは30年かけて貯める場合に、いつから貯め始めればいいかというと、それは何歳まで働くかによって変わってきます。
最近では70歳まで働くことも珍しくない時代になりました。
仮に70歳まで働くとして、20年の場合は50歳から、30年の場合は40歳から貯めるということになります。
今40歳の人でも70歳まで働くのであれば、貯める時間は30年あるのです。
時間は結構あると思いませんか。
この時間を有効に使わない手はありません。
節税効果と時間、そして、運用の効果を利用すれば、貯められない金額ではないと思います。
まとめ
老後のお金が足りないということは以前からわかっていました。
そして、この足りないということに対しても、時間をかけて、そして税制上の優遇制度を利用すれば、貯めることが不可能な金額ではないと思います。
不満を言っているだけで、何もせずに時間だけが過ぎてしまえば、最終的に困るのは自分です。
税制上の優遇制度と時間を上手く利用して、なるべく早いときから老後のためのお金の準備をした方がいいと思います。
iDeCoやつみたてNISAで、お金を運用する場合は、お金や運用について事前に勉強するようにしてください。
また、うまい話に騙されないことも大切です。
元本保証で高利回りをうたう怪しい商品に手を出してはいけません。
お金に関する知識は身に付けておいた方がいいです。
無理に短期間でお金をたくさん増やそうと思ったら危険です。
増やすことも大切ですが、減らさないことも大切です。
守りながら増やすという感覚でしょうか。
最後に、老後のお金が大切だとは言っても、今も大切です。
今と将来のバランスを取りながら、無理のない範囲の金額で、老後のためのお金の準備をするようにしましょう。
【編集後記】
大船渡高校の佐々木くんが地区予選の決勝戦に投げずに負けてしまいました。
佐々木くんのためを思って投げさせなかった監督を評価する声も多くあるみたいです。
わたしは、決勝戦で佐々木くんを投げさせるために、その前の段階でもっと調整できなかったのかなと思います。
四回戦で194球、準決勝で130球を投げましたが、このときに100球くらいで交代をしていれば、あるいは登板させる試合を変更していれば、決勝戦に投げることも可能だったのではないかという気持ちがあります。
わたしは素人ですし、チームの事情もわかりません。
ですから、的外れのことを言っているかもしれませんが、決勝戦で佐々木くんが投げる姿を見たかったなという気持ちはあります。