被災地にふるさと納税をする際に検討して欲しいこと

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全国各地で自然災害が発生しています。

そこでふるさと納税が行えるサイトの中には、被災地へ返礼品なしで寄付をすることができるところもあります。

被災地のことを思って、「返礼品なしで寄付をしよう」と思う人も多くいることでしょう。

しかし、寄付をする前に、少しふるさと納税の仕組みも考えて頂けたらなと思います。

ふるさと納税の仕組み

ふるさと納税とは、自分のふるさとや自分がお世話になった自治体などに寄付をすることで、寄付をした金額から一定額を控除した住民税や所得税が控除される制度です。

さらに、寄付をした地方自治体から返礼品をもらえることがあるので、それを目当てに寄付をすることが多くなっています。

返戻品のことを除いて考えると、本来であれば自分が住んでいる地方自治体に税金を納める代わりに、自分のふるさとや、自分が応援したい地方自治体に税金を納めることになります。

ですから、寄付ではなく「ふるさと納税」と言うのです。

自分が住んでいる自治体は被害にあっていませんか

今、全国各地で災害の被害にあった地方自治体が多くあります。

ですから、返礼品はいらないから被災した地方自治体にふるさと納税をしようと思っている人が多くいると思います。

例えば、四街道市に住んでいるわたしが、先日の台風で大きな被害にあった南房総市に1万円のふるさと納税をしようと思ったとします。

返戻品がないふるさと納税です。

「被害にあった南房総市にふるさと納税ができて良かった。」と思うことでしょう。

しかし、この場合、2000円を控除した8000円分の所得税と住民税が減額されます。

もともとは四街道市に納めるはずだった住民税が少なくなるのです。

今回の台風では、四街道市も多くの被害にあいました。

その四街道市に納めるはずの税金を減らして、南房総市に寄付をしたことになります。

何か思っていた効果と違うことになっていないでしょうか。

わたしは、純粋に南房総市に寄付をしたいと思って寄付をしました。

しかし、結果として、わたしが住んでいる四街道市に納める税金が減りました。

四街道市も台風の被害にあっているので、四街道市に納める税金を減らすのは本意ではありません。

もし、自分が住んでいる自治体も災害の被害にあっているのに、ふるさと納税で大きな被害のあった地方自治体に寄付をしようと思っているのであれば、自分が住んでいる自治体に納める税金が減っていることも認識して欲しいなと思います。

ふるさと納税の申告をしないという選択肢もあります

こういった場合、ふるさと納税で被害にあった地方自治体に寄付をしたとしても、確定申告をしないという選択肢もあります。

もちろん、確定申告をしなければ、寄付をした人の支出は増えます。

ですから、申告をしないでくださいと言っているわけではありません。

ただし、純粋に、被害にあわれた地方自治体を応援したいと思ってふるさと納税をしたのに、実は、自分が住んでいる自治体への納税が減っていることを知らないという人も多くいると思います。

それはそれで本意ではないのではないでしょうか。

ですから、純粋に被災した地方自治体を応援したいと思われた方は、ふるさと納税をするのは良いですけれど、確定申告をしないという選択肢を検討してもいいのではないかと思います。

まとめ

災害で被災した地方自治体にふるさと納税をして、税額控除を受けることにちょっとした違和感を覚えたので、記事にしてみました。

ふるさと納税の仕組みを知らない人は、知らないうちに、災害の被害にあった自分が住んでいる地方自治体への納税が減ってしまうことがあります。

それは本意ではないかもしれません。

ふるさと納税の仕組みを知り、ふるさと納税をしても、自分の住んでいる地方自治体への納税は減らしたくないという人は、ふるさと納税の申告をしないということを検討してもいいのかなと思いました。

もちろん、申告をすることが前提でふるさと納税をすることにより、被災した地方自治体に多くの寄付が集まるということがありますので、申告をして税額控除を受けることが悪いということではありません。

選択肢の一つとして検討して頂ければと思います。

【編集後記】

今回の記事は、実際にわたしが寄付をしようと考えたときに思ったことについて記事にしました。

台風15号の被害の際に、例えば、1万円を寄付するのに、10の市町村に1000円ずつ寄付するのと、1つの市町村に1万円を寄付するのではどちらが効果的かということも考えました。

10の市町村が被害にあっているのであれば、10の市町村に寄付をしたいと思うのですが、それだと事務手続きを考えた場合、効率的ではないのではないかと。

10人の人が1000円ずつ10の市町村に寄付をするよりは、10人の人が1万円をそれぞれ別々の10の市町村に寄付をした方が全体の事務の効率化になります。

ただし、この場合、特定の市町村に寄付が集中することも考えられます。

絶対の正解はないし、わたし1人の寄付額も小さいので、大きな影響はありませんが、こういったことも考えました。


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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ 千葉県生まれ、千葉県育ち。 四街道市在住。 小規模企業の節税に強い、渡邉ともお税理士事務所 代表税理士。 節税をしながら、長期の資産形成をサポート。