一般ユーザーに対して、会計ソフトや申告書作成ソフトの売りが、自動、楽、簡単を売りにしている間はまだ税理士の需要があるかもしれません。
最近の会計ソフトや申告書作成ソフトは、自動、楽、簡単を売りにしているものも多くあります。
自動で預金の明細を取り込んだり、領収書をスキャンすれば自動で内容を読み込んだりします。
あるいは、質問に答えていくだけで楽に申告書が作成出来てしまうかもしれません。
しかし、それですべて問題が解決するかというと、そういう訳ではありません。
自動で取り込まれた明細が正しく処理されたかどうかはわかりません。
質問に答えていけば、申告書は出来るかもしれませんが、その申告書が自分にとって、正しい、あるいは有利な内容になっているかどうかはわかりません。
現状では、まだ、自動、楽、簡単に正しい会計データや申告書が作成できるところまではいっていないと思います。
先日、ある会計ソフトメーカーの広告で「確定申告、一切迷いませんでした」といった言葉がありました。
この言葉を聞いて、その方の確定申告書を見てみたいものだと思ってしまいました。
一切迷わずに確定申告書ができるとは思いません。
宣伝の言葉ですから、割り引いて考えるとは言っても、この言葉はどうかなと思ってしまいました。
一切迷わずにできた確定申告書が、その人によって有利で正しい確定申告書であればいいのですが、そうではない可能性もあると思います。
そもそも、会計ソフトメーカーの広告ですから、事業所得や不動産所得をされている方が前提の話になると思います。
そうなると、不動産所得や事業所得の会計データが正しく入力されている必要があります。
この段階でも一切迷わなかったということなのでしょうか。
これもちょっと考えづらいことです。
会計ソフトや申告書作成ソフトの売りが、今のように自動や楽、簡単と言っているうちは、税理士いらずとはならないのかもしれません。
もし、正しくて自分に有利な会計データや確定申告書が自動で楽に簡単に作成できてしまうようなソフトが発売されれば、従来の税理士業務はなくなってしまうかもしれません。
ここでいう自分に有利とは、あくまでも合法の範囲内でということです。
ただし、こういった会計ソフトや申告書作成ソフトが今後進化していくことは間違いないと思います。
ですから、税理士もそれに合わせてやり方を変えていかなくてはいけないでしょう。
そのためにも、新しい会計ソフトや申告書作成ソフトにもアンテナを張っておく必要があります。
おそらくわたしが考えている以上のスピードで進化していくことになると思います。
時代の変化に合わせて、必要とされるものが変わるのであれば、それに応じてやることを変えていきます。
当たり前のことかもしれませんが、このことは忘れずに税理士業務を続けていきます。
【編集後記】
今日は健康診断でした。
健康は大事ですから、健康診断はきちんと受けておかなくてはいけないですね。
しかし、結果が送られてくるのは年明けになるかもしれないと言われました。
そんなに時間かかるのか。