生命保険を比較するときに、掛捨ての保険について、保険料が1円も戻ってこないことがデメリットとしてあげられることがあります。
保険料が戻ってこないことはデメリットなのでしょうか。
何のために保険に入るのか
先に結論を言っておくと、保険料が戻ってこないことはデメリットだとは思いません。
理由を書いていきますが、まずは保険に入る目的を考えてみます。
今回は、生命保険と医療保険について書きます。
生命保険に入る目的は、自分が死んだらお金に困る人がいるからだと思います。
例えば、妻と子どもが2人(5歳と3歳)いる人で、自分が死んだら、残された家族は、今後の生活費や教育費として5,000万円ほどのお金が必要という場合を考えます。
5,000万円という金額は例えで、特に意味はありません。
実際は、遺族年金の額なども考慮して必要額を計算しますが、ここでは考慮しないこととします。
こういった状況で貯金が1,000万円であれば、残された家族はお金に困ることになります。
このような状況に備えるために加入するのが生命保険です。
仮に、この場合で、貯金が5,000万円あるのであれば、生命保険に加入する必要はありません。
医療保険に入る目的は、自分が病気やケガで多額の治療費が必要になるような場合に備えるためです。
こちらも、治療費を賄えるだけの貯金があれば、医療保険に入る必要はないのかもしれません。
目的を果たしたときにお金を戻してもらいたいと思うか
例えば、1時間500円のコインパーキングを利用したとします。
この場合、1時間利用した後に、お金を戻して欲しいとは思いませんよね。
生命保険や医療保険も同様だと思います。
40歳で10年間の定期保険に入りました。
これは、40歳からの10年の間に死んでしまった場合に備えるためのものです。
運よく死なずに50歳を迎えられたとします。
この時点で、10年間の定期保険に加入した目的を達成しています。
10年間死なずに済んで良かったと思うのが普通でしょう。
生命保険に入っていたのだから、10年以内に死にたかった、と思う人はいないでしょう。
10年間の保障という目的を達成したのだから、お金を戻してもらう理由はありません。
50歳の時点で必要額の貯金が貯まっていて、もう定期保険に加入する必要がなくなっていれば、定期保険は解約すればいいし、その時点で、貯金が足りなければ、金額を減らして更新することも考えられます。
通常、40歳のときの必要額よりも50歳のときの必要額は少なくなります。
いずれにしても、お金を戻してもらう理由はありません。
これは医療保険についても同じです。
ある期間の医療費について備えるための医療保険に入って、その期間に医療費が発生しなかったのであれば、病気やケガをしなくて良かったと思って終わりです。
今まで支払った保険料を戻してもらう理由はありません。
保険期間中に保険事故が発生しないことは良いことであって、それまでの保障を買ったということになります。
それまでの保障という買い物をして、保障期間を終えたのに、お金を戻してもらおうと思うことは合理的ではないように思います。
戻してもらうお金は元々は自分のお金
お金には色はないのですが、解約返戻金や満期返戻金があるような保険は、その分保険料が高くなっているはずです。
でなければ、保険会社が損をすることになりますので。
ということは、自分が余計に払っていたお金が戻ってくるようなものです。
余計に払っていた分を返してもらうくらいであれば、最初から余計に払わなければいいと考える方が自然です。
まとめ
生命保険や医療保険で、保険料が戻ってこないことについて書いてみました。
普通に考えれば、保険期間の保障を買うための保険料ですから、保険期間が終わって、保険料が戻ってくることがおかしいと思います。
貯蓄目的で保険に入りたいという人がいるかもしれませんが、貯蓄目的であれば、保険である必要性はありません。
保険とは別に貯蓄をすればいいだけです。
保険料が戻ってくることがメリットだと考えている人は、もういちど、何のために保険に入るのかということを考えてみた方がいいのではないかと思います。
そして、保険で貯蓄もと考えている人は、別のもっといい方法で貯蓄することができないか考えてみるといいと思います。
【編集後記】
今日は、娘が朝起きたら立ち上がれないという状況でした。
股関節なのか右足なのか、どこか痛いのだと思いました。
1時間もすると、足を引きずりながら歩けるようにはなったのですが、朝一で医者に連れていきました。
診察室で、歩かせてみて、と先生に言われて歩かせたら普通に歩いていました。
結局、様子を見ましょうということになったのですが、とりあえずは歩けるようになって良かったです。
まだしゃべれないので、どこが痛いとか話してくれないので、親としてはよく観察しないといけないなと思いました。