不動産投資において耐用年数は短ければ短いほどいい訳ではない

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不動産投資をする場合、減価償却費は早期に多額に計上出来た方がいいと言われることが多いです。

しかし、全てのケースにおいてそうとは限りません。

減価償却費を早期に多額に計上できた方がいい理由

減価償却費は、その資産の耐用年数に応じて経費にしていきます。

例えば、2,200万円の建物を購入した場合、22年間に渡って毎年100万円ずつ経費になります。

事業はお金を回しながら、利益を上げて増やしていくものですから、税金については、一般的には支払いが遅くなった方が有利です。

先に税金を支払ってしまうと、お金の投資効率が落ち、成長スピードが遅くなります。

減価償却費は、お金の動きとは関係のない経費です。

新築で耐用年数22年の建物と、中古で耐用年数4年の建物を比較してみます。

取得価額はともに2,200万円とします。

減価償却費を22年に渡って毎年100万円ずつ計上するのと、4年に渡って毎年550万円ずつ計上するのでは、税金の金額が変わってきます。

当初の4年間を見てみると、経費の差額は年450万円です。

税率を30%とすると、税額の差は年135万円になります。

当初4年間は、耐用年数が4年の方が税金は135万円も少なくて済むのです。

この分、このお金を他の投資に回すことができ、投資効率があがります。

減価償却が終わった後は税金が高くなる

5年目以降を見てみると、耐用年数22年の場合の減価償却費は変わらず年100万円です。

耐用年数4年の場合は、5年目以降の減価償却費は0になります。

経費の差額は年100万円で、先ほどと同じく税率を30%とすると、税額の差は年30万円です。

5年目から18年に渡って、この状態が続きます。

耐用年数が短い場合は、早期に多額の減価償却費が計上出来ていいのですが、その資産を長く所有する場合は、後になって税金が高くなることは覚えておく必要があります。

特徴を知ることが必要

これらの特徴を知って使い分けた方がいいです。

どんどん物件を取得したい場合は、税金の支払いを後回しにした方が投資効率がいいですから、耐用年数は短い方がいいです。

しかし、先祖代々持っている土地に建てたアパートなど売却する予定がない場合は、耐用年数が短いと後になって税金が高くなり、負担を大きく感じるようになります。

まとめ

減価償却費は早期に計上出来た方がいいと思いがちです。

しかし、トータルで計上できる減価償却費は同じです。

長期で持つ予定の場合は、耐用年数が短すぎると、後になって多額の税金に苦しむことになる可能性があることは覚えておきましょう。

ちなみに、早期に多額の減価償却費を計上した場合において、売却したときは取得費が小さくなり、売却益が出やすくなります。

売却益が多額に計上されると、税金が高くなります。

個人の場合で、5年以内の売却だと税率が高いですから、この点にも注意が必要です。

自分の不動産投資の目的と減価償却費の特徴を理解して、後になって思ったよりも高い税金を支払うことにならないように気を付けましょう。

 

※耐用年数は自分で選べる訳ではありません。新築を購入するか築古の物件を購入するかで、耐用年数が変わってきます。

【編集後記】

日曜日は、10kmを1時間14分16秒で走りました。

1kmあたり、7分25秒です。

フルマラソンともなると、ペースは落ちると思うので、20kmくらいまでの距離は1kmあたり7分30秒くらいのペースで走れるようにしておいた方が良さそうです。

 

アイキャッチ画像は、よくわからないと思いますが、大量のおたまじゃくしです。

大量に一斉に孵化したようで、ちょっとグロいですね。


 

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ 千葉県生まれ、千葉県育ち。 四街道市在住。 小規模企業の節税に強い、渡邉ともお税理士事務所 代表税理士。 節税をしながら、長期の資産形成をサポート。