年金について、いつ死ぬかわからないから、早くもらわないと損だということを聞くことがあります。
年金を受給する前に死んでしまえば、年金はもらえないので、一理あるように思います。
ただし、いつ死ぬかわからないからこそ、年金の繰下げ受給を検討した方がいいと思っています。
そもそも年金は老後の生活の支えとなるもの
公的年金(今回の記事では主に老齢基礎年金、老齢厚生年金のこと、以下「年金」という)は、老後の生活の支えとなるものだと思っています。
ただし、年金だけで満足のいく生活ができるかというと、なかなか難しいです。
年金だけでは生活はできないかもしれませんが、多くの人にとって、年金が老後の生活の大きな支えになることは間違いありません(20歳から加入し、未納がないという前提)。
そして、年金は生きている限りもらうことができます。
何歳まで働くかは人それぞれですが、たいていの人は年齢が上がるにつれて収入が減少します。
65歳、長く働く人でも70歳くらいまでには引退する人が多いと思います。
年金だけで生活できないということは、65歳(人によっては70歳かそれ以上)以降はお金が減っていくことになります。
そして、いつかはお金が尽きてしまうかもしれません。
お金が80歳で尽きるのか、90歳で尽きるのかは人それぞれですが、老後にお金が尽きてしまう心配をしながら生きるのはあまり楽しいことではありません。
そこで頼りになるのが年金の繰下げ受給です。
生きている限りもらえる年金の受給額を増やすことで、お金が尽きる心配を和らげてくれます。
年金を損得だけで考えない
年金は、自分が積み立てたものが増えて戻ってくるものではなく、老後の生活を支えるための保険みたいなものと考えるといいと思います。
そういう考えでいると、自分が払った金額がいくらで、貰えるお金がいくらだから損とか得だとか考える必要がなくなります。
実際に、年金には、障害年金や遺族年金などもありますから、損得だけで考えることは適しません。
さらに、生きている限りもらえる金額が多ければ、その分、自分で備えるお金が少なくて済みます。
例えば、年金を年200万円もらえる人が繰下げ受給をすることで、年250万円もらえるようになるとします。
この人の一年間に必要なお金が300万円だとしたら、繰下げ受給をしない場合は年100万円ずつお金が必要ですが、繰下げ受給をすることで、年50万円あればいいということになります。
元々の貯金が2000万円だと仮定すると、繰下げ受給をしない場合は、20年でお金が尽きるのに対し、繰下げ受給をすると40年間お金がもつことになります。
65歳で年金をもらい始めると、85歳でお金が尽きるが、70歳からもらい始めることで、110歳までお金が足りることになるのです。
110歳以上生きる人は、ごくごくわずかでしょうから、もし、繰下げ受給をすることで、生きている間にお金が尽きる心配がなくなるのであれば、選択肢として有力なものになると思います。
結局、いつ死ぬかはわからない
結局、人間いつ死ぬかはわかりません。
ですから、死ぬときにぴったりとお金を使い切って死ぬということはできません。
ある程度残るのは仕方のないことです。
ただし、生きている限りもらえる年金の額が多ければ、お金をそれ程残しておかなくてもいいことになります。
もちろん、自分が死んだ後の家族にお金を残してあげたい場合は、その分は別で考える必要がありますが。
90歳まで生きるつもりで5,000万円貯めたけども70歳で死んでしまうこともあります。
それはそれで仕方ありません。
年金も同じだと思います。
70歳まで繰下げるつもりが69歳で死んでしまうこともあるかもしれません。
それも仕方のないことだと思います。
仮に、65歳から年金をもらっていて、69歳で死ぬ場合と、繰下げ中の69歳で死ぬことにどれほどの差があるのでしょうか。
それ程の差はないと思います。
寿命が延びている今の時代、長生きする可能性を考えることは普通のことだと思います。
そうであるならば、やはり年金の繰下げ受給は、有力な選択肢になるでしょう。
まとめ
年金の繰下げ受給について書いてみました。
年金は、損得勘定だけで判断するのではなく、生きている限りもらえるというメリットを活かすためにも繰下げ受給を検討する価値があると思っています。
結果として早く死んでしまって、総受給額が少なくなったとしても、それはそれで仕方ありません。
ただし、65歳時点で持病がある、健康に自信がないという人の場合は、無理に繰下げる必要はありません。
場合によっては、繰上受給を検討した方がいいという場合もあるでしょう。
自分が健康で長生きするかもしれない、あるいは長生きしたいと思っている人は、年金の繰下げ受給を検討してみてはいかがでしょうか。
実際に繰下げ受給をする際は、自分にとって不利にならないように、十分に検討するようにしましょう。
【編集後記】
こういった記事を書いておいてなんですが、自分自身は、最近色々と年齢を感じることが多くなり、このまま行くとそれほど長生きしないのではないかと思うこともあります。
長生きする人は、48歳時点でどのように感じるのかわからないので、何とも言えませんが、年齢的に普通のことなのかもしれないし、そうでないのかもしれません。
そうは言っても、平均寿命は延びていますので、やはり長生きする可能性は考えておいた方がいいのかなと思います。
アイキャッチ画像は、千葉ロッテの和田選手のキーホルダーです。
昨日も、良い守備を見せてくれました。