本日(10月31日)の日経新聞の記事に、「税務ソフトに参入 freee申告までクラウドで」という記事がありました。
freeeやMFクラウドのクラウド会計については、わたしは、このブログの9月16日の記事で今後が楽しみと書いていました。
税務ソフトは、会計ソフト以上に変わっていなかった
9月16日の記事で、会計ソフトは15年前には今の形がほとんど完成されていてその後は大きな変化はなかったと書きました。
一般の企業の人でも入力することが多い会計ソフトでそのような状態でしたから、主に税理士事務所側が入力する税務ソフトは、会計ソフト以上に変わっていなかったと言っていいでしょう。
税務ソフトで大きく変わった点は、申告書の紙での提出から、電子での申告になった点です。しかし、電子申告になったからといって、入力の方法が変わるわけではありません。
申告書の提出の仕方が変わっただけです。
今回の日経新聞の記事によると、freeeの税務ソフトは、電子申告にも対応すると書いてあります。
MFクラウド会計でも近いうちに税務ソフトに参入してくるでしょう。ようやく税務ソフトにも大きな変化が来るようです。
freeeの税務ソフトの入力方法がどうなるかはわかりませんが、既存のソフトに比べてどの程度便利になるのか期待したいと思います。
当初は、従業員30人以上で経理責任者がいる会社が使用か
記事によると、年間利用料は20万円前後と書いてありますから、従業員が10人以下の会社ではすぐには利用しないかもしれません。
税務申告書を会社で作成しても、税理士に依頼しないわけではないと思いますので、入力の手間などを考えると、コスト増になる可能性があります。
従業員が30人以上で、税務ソフトの作成まで任せることができる経理の人員がいる会社では、逆にコストの削減のために税務ソフトを導入する会社も多いでしょう。
日経新聞の記事では、以下のように結んでいます。
既存の税務申告ソフトの場合、会計データを入力する手間がかかるほか、年間費用が100万円を超える場合もあるとされ、企業の負担になっていた。
どの程度の規模のどんな会社を想定して書いているのでしょうか?
そもそも、この年間費用が税理士に支払う費用だけを言っているのかもわかりません。経理の人件費も含めているのでしょうか。
従業員が数十人以上いる会社で、年間費用が100万円というのは、それほどの負担ではないのではないでしょうか。
自社の信頼できる人員に入力してもらうとすると、人件費の方が高くつくことも考えられます。
更に、既存の税務申告ソフトの場合、会計データを入力する手間がかかると書いてありますが、freeeでも会計ソフトの入力は必要です。
freeeならば自動入力だからということかもしれませんが、手動で入力する部分もまだまだあります。
どのような会社を想定して、この記事を書いたのか疑問です。
この記事を書いた記者の人が、会計ソフトや税務申告ソフトの事情を詳しくわかっているとも考えにくいので、こんなことを言っても仕方がないのでしょうか。
まとめ
いずれにしても、freeeやMFクラウド会計でできることは増えていくと思いますし、どんどん便利なものが開発されることは歓迎します。
先日、MFクラウド会計のセミナーに行ってきましたが、あいかわらず進化しているなと感じました。
会計や税務申告だけではなく、給与計算、経費精算、マイナンバー管理、スキャナ保存まで、さまざまなことが、MFクラウドやfreeeでできることになります。
今後は、クラウド会計に対応していない税理士事務所は選ばれなくなるでしょう。
税理士としては、時代や技術の進歩に対応して仕事のやり方を変えて、会社や個人事業主の方に選ばれ続けるように日々変化し続けていくことになります。
【編集後記】
アイキャッチ画像を見て頂くとわかりますが、freeeの記事の左に、マネーフォワードの記事があります。
意図して隣に記事を載せていると思うのですが、時代はクラウド会計であり、クラウド会計を引っ張っていくのが、MFクラウド会計とfreeeだということは間違いないのではないでしょうか。