個人事業主であるならば、国民健康保険料の上限超えを目指すのもアリ

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独立をして個人事業主になると気になるのが国民健康保険料です。

会社員時代は、健康保険料の標準報酬月額が自動的に決まって健康保険料は給与から天引きされていました。

しかし、国民健康保険料は前年の所得などによって計算され、自分で支払わなくてはいけません。

場合によっては、所得税や住民税よりも国民健康保険料の方が高いということもあります。

負担感が大きい国民健康保険ですが、保険料には上限の金額が決まっています。

思い切って国民健康保険料を気にしなくていいくらいの所得を目指すのもアリだと思います。

国民健康保険料の算出方法

国民健康保険料の算出方法は市町村によって違います。

ここでは、わたしが住んでいる四街道市を例に取って説明します。

ちなみに四街道市では、国民健康保険と言っていますが、一般的には国民健康保険の方がなじんでいると思いますので、国民健康保険と言うことにします。

国民健康保険料は、医療保険分と後期高齢者支援分、介護保険分の合計により算出されます。

それぞれの計算方法は以下の通りです。

医療保険分

所得割額 所得金額×7.25%
均等割額 被保険者1人あたり16,500円
世帯平等割額 1世帯あたり20,000円

医療保険分の限度額は54万円。

後期高齢者支援分

所得割額 所得金額×1.4%
均等割額 被保険者1人あたり11,000円

後期高齢者支援分の限度額は19万円。

介護保険分(40歳以上65歳未満の人)

所得割額 所得金額×1.56%
均等割額 被保険者1人あたり13,000円

介護保険分の限度額は16万円。

計算方法が複雑で面倒だなと思うかもしれませんが、それぞれに限度額が決まっています。

医療保険分、後期高齢者支援分、介護保険分のそれぞれの限度額を合わせると、89万円になります(40歳未満の人は、73万円)。

国民健康保険料が上限に達する所得の目安

40代男性、配偶者あり(配偶者の収入はパートで年96万円、国民健康保険に加入)、子ども1人のケースで計算していきます。

先ほどの算出方法にある所得金額とは、個人事業主の場合、事業所得の金額から33万円を控除した金額です。

配偶者の給与収入が年98万円超になると、配偶者の所得に対しても所得割額が発生します。

夫の事業所得の金額を400万円(青色申告特別控除後の金額)とした場合の国民健康保険料は以下の通りです。

所得金額 400万円ー33万円=367万円

医療保険分
所得割額 367万円×7.25%=266,075
均等割額 16,500円×3人=49,500
医療保険分計 266,075+49,500=315,500円(100円未満切捨)

後期高齢者支援分
所得割額 367万円×1.4%=51,380
均等割額 11,000円×3人=33,000
後期高齢者支援分計 51,380+33,000=84,300円(100円未満切捨)

介護保険分
所得割額 367万円×1.56%=57,252
均等割額 13,000円×2人=26,000
介護保険分計 57,252+26,000=83,200円(100円未満切捨)

国民健康保険料計 315,500+84,300+83,200=483,000円

所得が400万円で483,000円の国民健康保険料となりました。

それなりの金額になりますね。

では、国民健康保険料の上限に達する所得はどれくらいになるのでしょうか。

上記の家族構成の場合で言うと、医療保険分が所得710万円(33万円控除前)、後期高齢者支援分が所得1,155万円、介護保険分が所得892万円でおおよそ上限に達します。

後期高齢者支援分は、所得が1,155万円まで保険料が上がり続けるということです。

ちょっと気が遠くなりますが、後期高齢者支援分の所得割額の保険料率は1.4%、介護保険分の所得割額の保険料率は1.56%です。

この2つは保険料率がそれほど高くないので、医療保険分の上限を意識するといいかもしれません。

医療保険分の上限は、所得710万円です。

所得が710万円を超えたら、国民健康保険料の上昇は緩やかになるということです。

そして、所得が1,155万円を超えると、国民健康保険料は上限に達します。

※国民健康保険料の計算の仕方は市町村によって変わりますし、家族構成などによっても変わります。

まとめ

国民健康保険料は負担が大きいです。

しかし、上限額がありますので、上限を超える所得をあげれば、それ以上の国民健康保険料の上昇をおさえることができます。

一つの上限の目安が医療保険分の限度額です。

先ほどの例では、所得710万円で医療保険分の上限に達します。

まずは、ここを目指すと国民健康保険料の負担感を減らすことができるかもしれません。

国民健康保険料が高いと嘆くよりも、所得を増やして国民健康保険料の負担感を減らす努力をした方が前向きに頑張れるのではないでしょうか。

 

最後に後ろ向きな情報を一つお伝えします。

国民健康保険料の上限は、年々上がっています。

平成5年度は54万円だったものが、今では89万円となっています。

今後も上がる可能性があることも知っておきましょう。

 

【編集後記】

今日はバレンタインデーです。

おニャン子世代のわたしにとって、バレンタインデーの曲と言えば国生さゆりさんの「バレンタイン・キッス」です。

しかし、今年はラジオなどで家入レオさんの「チョコレート」という曲を聴く機会が多いように思います。サビの部分が耳に残る曲ですね。

バレンタインデーの定番の曲も変わってきているのでしょうか。


 

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ 千葉県生まれ、千葉県育ち。 四街道市在住。 小規模企業の節税に強い、渡邉ともお税理士事務所 代表税理士。 節税をしながら、長期の資産形成をサポート。