商売をしていると、値引き交渉をされることがあります。
商売慣れしていない、あるいは人が好いと、ついつい値引きに応じてしまいます。
しかし、安易な値引きは自分の首を絞めることになりかねません。
値引きは慎重に行うようにしましょう。
値引き分の利益が減る
単なる値引きの場合、値引き分だけ利益が減ることになります。
例えば、700円で仕入れたものを1,000円で販売すれば、300円の利益です。
このときに、値引き交渉をされて、よく考えずに950円で販売してしまったら、利益は250円になります。
値引き分の50円利益が減ります。
そして、利益率は30%から26.3%に減少します。
利益率は、約12.3%も減少してしまうことになります。
利益の額も大きいのですが、利益率で見ても影響は大きいです。
安易な50円の値引きは、50円を捨ててしまうことと同じということになります。
値引き交渉されたときのための準備をしておく
誰でも不意をつかれると、とっさに対応することができません。
ですから、値引き交渉されたときのための準備をしておきましょう。
まずは、価格の妥当性です。
どうしてこの価格になっているのか。
自分でその価格になっている理由がわかっていなければ、価格の妥当性などないことになります。
通常であれば、商品の原価やかかる時間、手間暇などを考えて価格が決まっているはずです。
もし、経営判断上値引きをしてもいいということであれば、どこまで値引きをしてもいいのか決めておきましょう。
ずるずると、相手の言うままに値引きしてしまうということのないようにしましょう。
自分の中で準備ができていれば、値引き交渉をされても大丈夫なはずです。
普段から値引き交渉をされないようにしておく
ホームページなどで、値引きはしない旨を書いておくなどして、あらかじめ値引きはしませんということを伝えておくのも一つの手です。
そのときにも、その価格の妥当性が重要になります。
その価格が、自分の事業にとって適正な価格であり、値引きはできないというスタンスをとることによって、相手にもそれが伝わるかもしれません。
価格はご相談くださいとしておくと、相手は値引き交渉をすれば、値引きに応じてくれるんだなと思ってしまいます。
自ら値引きしますよと言っているようなものですから、やめた方がいいでしょう。
しかし、業種によっては、値引きが当たり前のようになっていることもありますので、そういった業種の場合は、自分の業種の特性をよく考えて価格を決めましょう。
意味がある値引きならいい
絶対に値引きはしない方がいいかというと、そうでない場合もあるでしょう。
例えば、商品販売業で、値引きをすれば、毎月大量に買ってもらえるというような場合は値引きを検討するのもありです。
利益率は下がるかもしれませんが、利益の額は増えることになります。
このときも、先方が大量に買うから安くしてと言われて、よく考えずに値引きしてしまうことのないようにしましょう。
損して得取れという言葉があるように、値引きをすることによって、より多額の利益を得るようにしましょう。
ただし、貧乏暇なしには要注意です。
その他にも値引きをすることによって販路が拡大され、結果的に利益が増えるとか、新規の顧客を獲得するために、一時的に値引きをするとか、意味のある値引きをするようにしましょう。
まとめ
商売をしていて、ついつい顧客の値引き交渉に応じてしまうという人もいるかもしれません。
値引きは、その分だけ確実に利益を削ります。
そもそも、値引きをしてしまうということは、最初の価格がおかしいということになります。
もちろん、値引きをすることによって、顧客の購買意欲をさそうという営業上の戦略であればいいのですが、そうでないのに値引きをしてしまうというのは問題です。
自分で決めた価格に自信を持ち、安易に値引きをしないようにしましょう。
そのためには、ホームページに正規の価格を記載しておくようにしましょう。
また、事前に価格を提示して、その価格で了承を得ておくことも欠かせません。
価格が曖昧なまま、仕事をすすめることのないようにしましょう。
【編集後記】
マネーフォワードのHPにりそな銀行との創業支援を開始とあったので、りそなのホームページで「りそなの創業応援パック」を確認してみました。
そこには、会計freeeが2ヶ月無料と書いてありました。
これからMFも追加されるのでしょうが、マネーフォワードのHPからリンクをたどったのに、これでいいのかな。