税理士事務所にとって、確定申告時期は、仕事の量と質と料金の狭間で考えることがたくさんあります。
今回は、確定申告についてのわたしなりの考えを書きます。
需要に応えたい
税理士として需要があるならば、量をこなしたいという気持ちがあります。
仮に、わたしの周りで50件の確定申告の需要があるとします。
50人の方が税理士であるわたしに確定申告を依頼したいと思っています。
そのときに、わたしは30件くらいが適量だから、30件だけ確定申告をうけ付けます。
と言ったらどうでしょうか。
残りの20人の方は、確定申告を依頼したいと思っているのに依頼できないことになってしまいます。
もちろん、税理士は他にもいますので、他の税理士に依頼すれば済む話ではありますが。
税理士として需要があるのであれば、その需要に応えたいというのが素直な気持ちです。
質は落としたくない
30件が適量なのに50件の確定申告をうけると何が問題になるかと言うと、仕事の質の低下です。
いくら需要があるからといって、仕事の質を落として量をこなすことは問題があります。
お客様も質の低い仕事は望んでいないでしょう。
ただし、一概に質と言ってもそんなに単純なものではないと思っています。
質が高いことと過剰サービスは違います。
質は高く保ちつつ、削れるサービスを削るということはやってもいいと思っています。
例えば、メールや送付書の文面など、丁寧に書こうと思ったら、物凄く丁寧に書くことも可能です。
また、文面に気を使った言葉を入れることで、お客様のうける印象も変わるかもしれません。
税理士にとっての仕事の質と言えば、正しい申告と合法の範囲内で税額が少なくすることが主なものになります。
これに、付加価値をつけて、経営コンサルティング的なサービスを行う税理士事務所もありますが、その分顧問料が高くなるのが通常ですから、ここでは経営コンサルティングなどについては触れないこととします。
話を戻すと、メールや送付状の文面によって、申告の正しさや税額には影響はありません。
ですから、そういった部分をシンプルにこなすことによって質を落とさずに仕事の量を増やすことは可能です。
ここでいう仕事の質を落とさないということは、主に正しい申告と合法の範囲内で税額を少なくすることです。
そこの質を守りながら、省くところは省き、量をこなします。
料金は高くもなく安くもなく
わたしの場合、料金は高めには設定していないつもりです。
かと言って、特別に安い料金にするつもりもありません。
ですから、量をこなしても満足のいく売上になるかというと微妙な部分はあります。
しかし、ある程度以上の量をこなす場合、料金設定は高めにはしずらくなります。
価格設定が高いところは、丁寧で高いサービスを提供するように思います。
そうなると、どうしても件数を抑えなくてはいけません。
件数を抑えると需要に応えられないということになります。
そして省くところは省くようにしているので、その分料金も抑えているつもりです。
それなりの価格で、それなりより少しでも質の高い仕事をして需要に応えるという感じです。
人によるのですが、高いお金を支払って丁寧で高いサービスを提供してもらいたいという人もいると思います。
それよりも多くの人は、ある程度安い料金でそこそこいいサービスを提供して欲しいと思っていると思います。
わたしは、その層に応えたいと思っています。
まちの税理士としては、それが合っているのではないかということです。
仮に50人の確定申告の依頼者がいるとしたら、その中には、もっと丁寧な仕事をして欲しいと思う人もいるかもしれません。
しかし、ここまで書いてきたような事情から省いている部分もあります。
仕事の本質的な質は落としているつもりはありません。
その点についてはご了承頂きたい部分ではあります。
まとめ
確定申告の仕事の量と質と価格について書いてみました。
確定申告については需要があるので、その需要に応えるつもりでやっています。
ですから、高品質、高いサービスというよりも、量をこなすために、質を保ちながら省くところは省き、料金もそれなりの価格に設定しています。
そういった考えでやっているので、昨年、今年と依頼をお断りすることはありませんでした。
それでも、昨年、今年といっぱいの状況ではありました。
これ以上の依頼があると、来年以降は全て受け入れることはできないかもしれません。
それでも、なるべく多くの依頼を受けたいという気持ちがあります。
来年以降もこんなことを考えながら需要に応えていこうと思います。
【編集後記】
回覧板で、近所でイノシシの目撃情報があったことを知りました。
こんなところでイノシシが出るのかと驚きました。
しかし、四街道市役所のホームページを見ると、四街道市内でもイノシシの目撃情報は結構あるみたいです。
もし、イノシシに遭遇したら怖いだろうなと思います。