お客様のを訪問した帰りに、市内の本屋さんに立ち寄りました。
そこには、10月22日での閉店を知らせる貼り紙がありました。
街の書店がどんどんなくなっていくのは、寂しいですね。
わたしは、本が好きで、ビジネス書も含めると、月に1万円分くらいは本を買うのですが、街の本屋さんで買うのは、その中の10%未満でしかありません。
街の本屋さんで買わないのに、寂しいなんて勝手ですが、それでも寂しいものは寂しいのです。
そして、街の〇〇屋さんが減っていくのは、本屋さんに限ったことではありません。
酒屋さん、お米屋さん、たばこ屋さん、電気屋さん、などなど、街の個人商店は厳しい状況が続いています。
税理士にとっても、他人ごとではない
街の個人商店が厳しい状況になっているのは、税理士にとっても他人ごとではありません。
税理士業界も16年ほど前から、税理士法人が認められるようになり、大きな組織の税理士事務所が増えてきました。
年々、人も顧問先も、大手の税理法人に集約されるようになりました。
街の税理士事務所にとっては、厳しい時代になっているのです。
わたしも、地域密着を掲げている「街の税理士」です。
何の努力も工夫もしなければ、少しの風で、吹き飛ばされてしまいます。
しかし、街の酒屋さんや電気屋さんでも、努力や工夫で頑張っている人も多くいます。
全体の数は減少傾向でも、頑張って業績を伸ばしている人がいるのです。
デジタルとアナログの両方を使いこなす
個人商店が生き残っていくには、デジタルとアナログの両方を使いこなす必要があります。
街の酒屋さんが対面で販売していただけではなかなか売上は上がりません。
インターネットを利用してホームページ上で販売をすることができれば、売上をあげることができるかもしれません。
ただ、ホームページ上でお酒を販売するだけでは、大きな売り上げは望めないでしょう。
他では扱っていないお酒を取り扱うなどして、他との差別化を図る必要があります。
アナログの人脈などを使って、他では取り扱っていないお酒をホームページ上で販売できれば、差別化になるのです。
街の電気屋さんでも、安売りをしていては、家電量販店にはかないません。
そこで、年配の方向けに、電球の交換など、少しのサービスでも接点を増やすことにより、仕事につなげたりします。
テレビが映らないとか、〇〇の調子が悪いといった時に、駆け付けてあげることで、年配の方からの信頼を集めることができます。
街の税理士であるわたしの場合は、ホームページやブログで営業を行います。
ホームページで値段の安さをうたっても、大手の税理士法人には勝てません(勝たなくても、共存すればいいのですが)。
では、ホームページやブログで税理士個人の人柄をアピールしたとしたらどうでしょう。
大手の税理士法人などでは、個人の人柄をアピールするといっても、限界があります。
しかし、街の税理士であれば、個性や人柄を前面に出すことができます。
ホームページやブログといったITを使って、個性や人柄といったアナログの部分をアピールするのです。
ITが発達して、さらには、AIの時代が来るかもしれません。
しかし、大手の税理士法人と違って、個をアピールしやすい街の税理士にとっては、逆にやりやすい時代になるのかもしれません(希望的観測ですが)。
まとめ
街の本屋さんがなくなる状況を見て、税理士業界にあてはめて考えてみました。
わたしがこの業界に入ってすぐに、税理士法人が認められるようになったのです。
当時から、街の税理士が独立するには逆風が吹いていました。
そういう状況もあってか、わたしの独立は遅くなりました。
しかし、ITが発達して、個人でもやりようによっては、生き残れる時代になっていると思います。
アナログの部分では、大手の税理士法人に負けないと思うので、デジタルとアナログを上手く組み合わせて、今後も生き残っていきます。
税理士業界は、大手はますます大手になり、個人事務所は、ますます自分の色を出していくことになるでしょう。
大手の税理士法人と、個性のある街の税理士事務所の共存は可能だと思っています。
この記事を書いているうちに、街の税理士もまだまだやれるなという気持ちが強くなりました。
【編集後記】
今回の記事で取り上げた書店はすばる書店だったのですが、インターネットで調べたら、すばる書店を運営していた株式会社すばるが他の2社と合併をしてブラス株式会社になったとあります。
そして、どこどこのすばる書店が閉店といった情報がたくさん出てきます。すばる書店は、もう1店舗もないのかもしれません。
ウィキペディアを見ると、すばる書店は、2016年3月現在で17店舗と書いてあります。全部が閉店してしまったのかはわからないのですが、本当に寂しいですね。