公的年金の繰り下げ受給の選択の幅を広げるのなら、段階的に公的年金等控除額を引き上げた方がいいと思う

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公的年金は原則として65歳からの支給となっています。

しかし、受給を70歳まで繰り下げることができます。

さらに、75歳まで繰り下げられるようにしようという動きも出ています。

ここで1点気をつけて頂きたいのは、75歳まで受給を繰り下げられるようにするということです。

決して受給開始年齢を75歳に引き上げるという動きが出ている訳ではありません。

わたしは、受給開始を自分で選択できる幅が広がるのは良いことだと思います。

例えば、60歳の時点で、体調が思わしくなく自分で長生きはできそうにないと判断すれば、繰り上げ受給をすればいいし、70歳になっても元気で、75歳になっても元気ということであれば、繰り下げ受給を選択すればいいのではと思っています。

国全体としては、それぞれの人がどんな選択をしようと同じような結果になるように金額を設定しているはずなので、個人が自分の体調などに合わせて受給開始年齢を選べたほうが良いでしょう。

繰り下げ受給の問題点

繰り下げ受給のデメリットとして、繰り下げ受給をして毎年の年金の受給額が増えると、社会保険料や税金が上がって負担が増えてしまうということがあります。

受給開始をを70歳まで繰り下げると約40%、75歳まで繰り下げると約80%も受給額が増えることになります。

65歳で受給した場合に年180万円の人であれば、70歳まで繰り下げると約年252万円になり、75歳まで繰り下げると約年270万円にもなります。

公的年金等控除額が120万円ですから、確かに、所得が増え、社会保険料や税金の負担が増えるということになります。

公的年金等控除額を段階的に引き上げる

これでは、せっかく選択の幅を広げたのに、繰り下げ受給を選択する人が少なくなり、効果的な方法とは言えなくなってしまいます。

そこで、公的年金等控除額を段階的に引き上げるといいのではないかと思います。

例えば、現在の公的年金等控除額は65歳未満で70万円、65歳以上で120万円の2段階になっています。

これを、例えば、70歳で以上で150万円、75歳以上で180万円に引き上げます。

こうすれば、繰り下げ受給をしても社会保険料や税金の負担を抑えることができます。

受給する側も長生きするリスクに備えることができます。

まとめ

繰り下げ受給の選択肢を広げることはいいことだと思います。

ただし、ただ選択の幅を広げただけでは社会保険料や税金の負担が増えて選択する人が多くないことが予想されます。

であるならば、公的年金等控除額を段階的に引き上げて、繰り下げ受給をしても、社会保険料や税金の負担があまり大きくならないようにすることも必要なのではないでしょうか。

【編集後記】

四街道市からプレミアム付商品券購入引換券が送られてきました。

せっかくの制度なので、ありがたく使わせてもらおうと思います。


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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ 千葉県生まれ、千葉県育ち。 四街道市在住。 小規模企業の節税に強い、渡邉ともお税理士事務所 代表税理士。 節税をしながら、長期の資産形成をサポート。