会社であれば、税理士と顧問契約をしている会社が多いでしょう。
今回は従業員10人以下程度の会社を想定して、税理士の業務範囲と顧問料について書いてみます。
税理士との契約で、税理士の業務範囲はどのようになっているでしょうか。
通常は、税金や会計に関することが業務の範囲となっていると思います。
ただし、税金や会計の周辺業務については、どこまでとは、はっきりと定めていないことも多いと思います。
一般的な業務範囲
税務書類の作成及び税務代理業務
税理士業務の主なものが、この税務書類の作成と税務代理業務です。
簡単に言うと、法人税や消費税、地方税の申告書の作成と提出のことです。
法人税や消費税、地方税の申告書の作成は、一般の方ではなかなかわかりづらいものです。
代理で税務申告書の作成をして提出することは、有償、無償を問わず税理士でないとできないこととなっています。
税務代理業務の中には、税務調査の立会なども含まれます。
会社の場合、3年から10年に1度くらいは税務調査が入ることがあります。
20年以上来ないこともありますが。
税務調査の対応も一般の人にとってはハードルの高いものになります。
不安な気持ちになりますので、税理士に立ち会って欲しいと思う人も多いでしょう。
代理での税務調査の立会も税理士でなくてはできません。
わたしの事務所もそうですが、税務調査の立会は別料金になっていることが多いのではないかと思います。
税務相談
これは言葉の通り、税金に関する相談です。
税金のことは難しく、しかも事前に検討しなければいけないことも多いです。
「事前に」というのはとても大きなポイントです。
事後に相談をしても対策は限られますし、不利な扱いになることも多いです。
相談は事前にということは覚えておいた方がいいです。
この税務相談も税理士でなくては行うことはできません。
会計業務
適正な税務申告書を作成するためには、会計データを作成しなくてはいけません。
会計データは会社の業績を把握したり、管理するために必要ですが、税務申告書作成のためにも必要なものとなります。
会計データの入力についても疑問点が出てくることがありますから、そういったことへの対応も業務範囲に入っていることが多いです。
また、契約内容によっては、会計データの作成を税理士に依頼することもあるでしょう。
上記のような内容が業務範囲になっていることが多いと思います。
ただし、読んでいてもわかると思いますが、どこまでが範囲なのかがはっきりとはわかりづらいという人も多いと思います。
業務の範囲は、税理士によっても異なりますし、契約によっても異なります。
顧問料
顧問料については、税理士によって様々です。
売上や従業員数などによって顧問料を決めている税理士が多いのではないかと思いますが、訪問頻度で決まっていたり、業務範囲で決めている税理士もいると思います。
まさにピンキリと言えます。
例えば、売上げ1億円、従業員5人の会社でも、年間の税理士報酬が30万円くらいから100万円超まであると思います。
最近では格安を売りにしている税理士事務所もあり、そういったところだともっと安い価格で受けていることもあるようです(調べていないのでわかりません)。
通常、顧問料と業務の範囲は正比例する
通常、顧問料と業務の範囲は正比例すると思われます。
顧問料が安い場合は、業務の範囲も狭くなりますし、顧問料が高い場合は、業務の範囲も広くなります。
付加価値という言葉があり、税理士業務で言うと、資金繰りの相談、融資相談、経営計画の作成、経営コンサルティングなどがあげられます。
個人的には、通常の業務範囲にはこれらのことは入っていなく、これらの業務を付加する場合は、その分顧問料が高くなるものだと思っています。
このくらいは税理士の通常業務だと言う人もいるかもしれませんが、おそらくそういった人は、最初からその分が顧問料に含まれているのだと思います。
先ほどの例で言うと、売上げ1億円、従業員5人の会社で顧問料が年50万円と年100万円の税理士が話をすれば、業務の範囲が異なるので、話が合わなくて当然です。
そもそもの顧問料が違いますから。
ですから、ある税理士は「資金繰りの相談や融資相談は、税理士なら顧問料の範囲内でやるのが通常だ」と言うかもしれませんし、ある税理士は「資金繰り表の作成や融資相談は別途料金が発生します」と言うかもしれません。
わたしの場合は、比較的リーズナブルな顧問料の設定にしていますので、通常業務以外のサービスを本格的に業務範囲には入れていません。
それよりも価格がリーズナブルな方がいいという需要も確実にあるからです。
それでも、可能な範囲でお客様の相談には乗りたいとは思っています。
融資相談なども顧問料の範囲内で出来ることを行っています。
追加料金を頂いて、通常の業務範囲外のことをやることも当然あります。
最近では、業務改善みたいなことも税理士が行っていることもあると思いますが、その場合も元々の顧問料を高く設定して、業務改善のアドバイスも行いますよ、ということだと思います。
自分が何を求めるかによって、どういった税理士で、どの範囲の業務を、いくらの顧問報酬で依頼をするかを決めれば良いと思います。
まとめ
税理士の顧問料の相場を聞かれることがありますが、業務範囲が異なるので、はっきりと答えることはできません。
わたしのスタンスは、このブログでも何度も書いているように、比較的リーズナブルな価格で、その価格よりも良いサービスを提供することです。
ですから、価格は平均よりも多少休めだと思っていますが、格安の税理士事務所よりは高い価格となっています。
価格よりも良いサービスを提供しようと思っているからと言って、自分よりも顧問料が倍もする税理士事務所のようなサービスを提供することはできません。
サービスの質という点では負けたくありませんが、業務範囲などは、どうしても省くことは出てきます。
税理士を選ぶ際は、顧問料と業務の範囲も検討すると良いと思います。
ただし、事前に業務範囲と価格がわからないことがありますので、情報をきちんと発信している税理士を探すというのは悪くない方法だと思います。
【編集後記】
パートさんが今週来週とお休みです。
「新型コロナウィルス感染症による小学校休業等対応助成金」の対象だということを教えてもらったので、助成金の申請をしようと思います。
当初は3月末までということでしたが、6月末まで延長された模様で、ちょうど良かったです。
それにしても、申請の手続きはちょっと面倒そうだなぁ。