個人型確定拠出年金(iDeCo)のおすすめ金融機関 楽天証券とSBI証券の比較

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最終更新日 平成29年3月27日

個人型確定拠出年金の金融機関については、今までにも、以下の記事で書いてきました。

「個人型確定拠出年金で節税しながら資産形成をしよう」
「個人型確定拠出年金のおすすめ金融機関 2016年5月」
「楽天証券の個人型確定拠出年金に期待」
「楽天証券が個人型確定拠出年金の取扱商品を発表したので、SBI証券と比較してみました」

2017年1月から、ほぼすべての人が個人型確定拠出年金に加入できるようになります。

これを受けて、SBI証券が商品ラインアップの拡充をしたり、楽天証券が個人型確定拠出年金に参入したりで、状況が大きく変化していました。

ここにきて、状況が少し落ち着いたので、おすすめ金融機関のまとめとして記事を書くことにします。

結論として、これから加入する人については、個人型確定拠出年金の金融機関選びは、楽天証券とSBI証券の二者択一で問題ないでしょう。

金融機関選びのポイント

個人型確定拠出年金の金融機関選びのポイントは、以下の3点があげられます。

1.金融機関に対する口座管理手数料が低いこと

毎月発生する口座管理手数料は、平成29年3月27日現在、楽天証券、SBI証券ともに、キャンペーンで無料としています。

楽天証券は誰でも1年間は無料、SBI証券は2017年6月まで無料です。

楽天証券は、年金資産残高が10万円以上で、口座管理手数料が無料になります。

口座開設から1年以内に年金資産残高が10万円以上になれば、その後も無料になります。

掛金は5,000円以上千円単位ですから、月額9,000円以上拠出すれば、1年以内に10万円以上になります。

SBI証券は、残高50万円以上で口座管理手数料が無料です。2017年6月以降で残高が50万円以上になるまでは、口座管理手数料が月300円(税抜)かかることになります。

楽天証券、SBI証券ともに、加入時・移換時には国民年金基金連合会に2,572円(税抜)の手数料がかかります。

楽天証券の場合は、加入時・移換時の楽天証券に対する手数料は無料ですが、SBI証券では、SBI証券に対する加入時・移換時の手数料が1,080円かかります。ただし、2017年6月までは無料となるキャンペーンを行っています。

口座管理手数料の点では、楽天証券の方が優れていると言っていいでしょう。

個人型確定拠出年金では、この他に国民年金基金連合会に支払う口座管理手数料が月96円(税抜)、信託銀行に支払う口座管理手数料が月60円(税抜)発生することは覚えておきましょう。これらは、どこの金融機関でもかかります。

2.低コストの商品を取り扱っていること

年率3%程度で資産を運用しようとしている場合に、信託報酬が1%のときと、0.3%のときでは、資産の増え方がかなり変わってきてしまいます。資産の保有中にかかる信託報酬が低い商品を取扱っている金融機関を選ぶことが重要です。

3.使いやすさ

3番目の使いやすさは、直接運用の結果には影響を与えないと思いますが、使い勝手が悪いとストレスもたまりますので、使いやすいにこしたことはありません。

楽天証券では、1つのIDで、一般口座、NISA口座、確定拠出年金口座が管理できますので、使い勝手の点では優れています。

取扱商品の信託報酬の比較

主な資産クラスごとに、インデックファンドの信託報酬を比較しました。

楽天証券信託報酬SBI証券信託報酬
先進国株式たわらノーロード先進国株式0.225%DCニッセイ外国株式インデックス0.210%0.015%
先進国債券たわらノーロード先進国債券0.200%三井住友・DC外国債券インデックスファンド0.210%-0.010%
国内株式三井住友・DC株式インデックスファンドS0.190%三井住友・DC株式インデックスファンドS0.190%0.000%
国内債券たわらノーロード国内債券0.150%三菱UFJ国内債券インデックスファンド(確定拠出年金)0.120%0.030%
新興国株式インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式0.550%三菱UFJ新興国株式インデックスファンド0.550%0.000%
先進国REIT三井住友・DC外国リートインデックスファンド0.280%三井住友・DC外国リートインデックスファンド0.280%0.000%
国内REIT三井住友・DC日本リートインデックスファンド0.260%DCニッセイJ-REITインデックスファンドA(※4)0.250%0.010%
米国株式大和ーiFreeNYダウ・インデックス0.225%
バランスファンド大和ーiFree8資産バランス0.230%
※1.信託報酬は税抜
※2.差は楽天証券から見ての数字。マイナスであれば、楽天証券の方が低く、プラスであれば、SBI証券の方が低い。

楽天証券の個人型確定拠出年金の参入を受けて、SBI証券がより低コストの商品を扱うことを発表している影響もあって、信託報酬の低さという点では、SBI証券のほうがやや優れています。

先進国債券のクラスでわずかに楽天証券の方が低コストになっていますが、その他の資産クラスでは、SBI証券の方が低コストあるいは、同じとなっています。

しかし、その差はほんのわずかですから、影響はほとんどないと言っていいでしょう。

SBI証券は、米国株式クラスと、バランスファンドで、大和のiFreeシリーズの商品の取り扱いを始めました。

個人型確定拠出年金で、米国株式やバランスファンドに投資をしたい人にとっては、有力な選択肢になります。

大和iFree8資産バランスは、バランスファンドにしては、かなり低い信託報酬となっています。

楽天証券には、残念ながらおすすめのバランスファンドが見当たりません。

セゾン投信とひふみ年金

ここまでは、コストを中心にみてきましたが、ここでは、インデックスファンド以外の商品をみてみます。

楽天証券では、セゾン投信の「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」と「セゾン資産形成の達人ファンド」という2つの商品を取扱っています。これらの商品は、投資信託で長期の資産形成を目指す人のための商品で、前者は、世界中の株式と債券に投資する投資信託、後者は世界中の株式に投資する投資信託となっています。

両ファンドとも、長期での資産形成を目指す個人投資家にとって、人気の商品となっています。

SBI証券では、「ひふみ年金」という主に国内株式に投資する投資信託を取り扱っています。

ひふみ投信という人気の投資信託の個人型確定拠出年金用の商品となっています。

ひふみ投信は、カンブリア宮殿でも取り上げられ、人気はさらに高まっているようです。

もともと、これらの商品を購入していた人達は、今後は確定拠出年金でこれらの商品をつみたてたいという理由で、楽天証券か、SBI証券を選ぶという選択肢もあると思います。

セゾン投信や、ひふみ年金を購入したいという人は、資産運用について多少の勉強をすることをおすすめします。

「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」は、これ1本で十分な分散効果がありますが、「セゾン資産形成の達人ファンド」や「ひふみ年金」は、他のインデックスファンドと組み合わせて、運用の一部として取り入れることを検討するといいでしょう。

まとめ

これから個人型確定拠出年金に加入する人は、楽天証券かSBI証券の好きな方を選べば問題はないと思います。

既に、他の金融機関で個人型確定拠出年金に加入している人は、判断が難しいです。

現在の金融機関と、楽天証券やSBI証券とを比較して、残りの運用期間のコストがどちらが低くなるか判断しましょう。金融機関を変更するには、手間と時間がかかりますし、移換費用も発生しますので、これらのことも考慮しましょう。

現在では、金融機関の変更に1か月以上かかります。ここで、運用の空白期間が発生してしまいます。この空白の期間に、世界の株式が5%以上上昇する可能性もあります。運用資産が大きい場合には大きな影響が出ます。

運用資産が少なく、残りの運用期間が十分にある人は、積極的に金融機関の変更を検討したほうがよく、運用資産が大きくなっていて残りの運用期間が少ない人は、リスクを取ってまで金融機関を変更する必要はないでしょう。

わたしが、企業型確定拠出年金から個人型確定拠出年金へ移換した際に、運用の空白期間中の株価が大きく上昇して損をしてしまった記事はこちら。

確定拠出年金を企業型から、楽天証券の個人型確定拠出年金へ移換完了。移換のタイムラグによる影響は凄く大きかった

2016.12.02

 

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ 千葉県生まれ、千葉県育ち。 四街道市在住。 小規模企業の節税に強い、渡邉ともお税理士事務所 代表税理士。 節税をしながら、長期の資産形成をサポート。