国民年金基金は節税効果が高いので、検討してもいい

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これまで、このブログでは、個人型確定拠出年金(iDeCo)や小規模企業共済をおすすめする記事を書いてきました。

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個人型確定拠出年金や小規模企業共済と同じく、掛金が全額所得控除になり、節税効果の高いものとして、国民年金基金があります。

節税効果が高いのに今まで書いていなかったのは、特におすすめはしないからです。

おすすめはしませんが、どんな制度か知っておいたほうがいいと思いますので、国民年金基金について書いてみます。

国民年金基金とは

国民年金基金連合会のホームページには、以下のように書いてあります。

国民年金基金制度は、国民年金法の規定に基づく公的な年金であり、国民年金(老齢基礎年金)とセットで、自営業者など国民年金の第1号被保険者の老後の所得保障の役割を担うものです。

自営業者などの国民年金の第1号被保険者は、厚生年金に加入しているサラリーマンなどに比べて将来受け取る年金の額が少ないです。

そこで、国民年金に上乗せする形で、国民年金基金制度が創設されました。

国民年金基金には、地域型と職能型があり、どちらかに加入することになります。

国民年金基金に加入できる人

自営業者などの、国民年金第1号被保険者が加入でき、60歳になったときや、会社員になったときは、資格を喪失します。

給付の種類

給付の型が7種類あり、自分で給付の型を選ぶことになります。

大きくわけると、終身年金型と確定年金型に分かれます。

終身年金型であれば、生きている限り、年金をもらうことができます。

国民年金基金のメリット

1.掛金が全額所得控除になる

国民年金基金の掛金は、個人型確定拠出年金や小規模企業共済と同じように、全額所得控除になります。

掛金の上限は、月額68,000円です。

個人型確定拠出年金にも加入している場合は、合わせて68,000円です。

掛金は、年齢と給付の型によって異なっていて、自分で選択できます。

2.終身年金を選べば、長生きのリスクに備えられる

終身年金を選べば、長生きすればするほど、総受給額が増えます。

生きている限りもらえるということは、メリットだと思います。

しかし、早く死んでしまえば、受給額は掛金総額を下回ることもあります。

国民年金基金のデメリット

1.途中で解約できない

途中で解約出来ないので、65歳(給付の型によっては60歳)まで資金が拘束されます。

この点は、個人型確定拠出年金でも同じです。

2.給付の型が多くてわかりづらい

給付の型を自分で選ぶのですが、7種類もあってわかりづらいです。

個人型確定拠出年金は、自分で資産を運用するのが不安という人が、国民年金基金に加入しようと思っても、どれを選べばいいか困ってしまいます。

3.積立方式の年金なので、物価等のスライドはない

物価スライドに対応はしていません。

しかし、物価が上がったときに金利もあがれば、予定利率はあがるかもしれません。

まとめ

掛金が全額所得控除になるという点では、個人型確定拠出年金と同じです。

ですから、国民年金基金は個人型確定拠出年金と比較することになるでしょう。

一番の違いは、資産を自分で運用するかどうかです。

個人型確定拠出年金で、年3~4%の利回りで運用できれば、20年30年でかなりの運用益が期待できます。(もちろん、損をすることもありますが)

国民年金基金のホームページでは、「年金額が今からわかる」ことが、加入のメリットと書いてあります。

しかし、将来の物価がわからない以上、もらえる年金額がわかるということがメリットとは思えません。

10年後くらいなら、まだしも、20年や30年後のこととなると、もはやデメリットと言えるのではないでしょうか。

国民年金基金では、少ないとはいえ、破綻のリスクもあります。

受給開始年齢も変わらないと言われていますが、絶対とは言い切れません。

個人型確定拠出年金は、今年から誰でも加入できることになったので、自分の状況が変わっても持ち運ぶことができます。

しかし、国民年金基金では、自営業者が会社員になった場合などは引き継ぐことができません。(もちろん、それまでに掛けていた分は将来もらえますが)

もし、国民年金基金を選ぶとしたら、終身年金を選べるという理由からかもしれません。

先日、「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」という本についての記事を書きました。

「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」を読んでの感想

2016.12.22

現在の40代以下くらいの人であれば、90歳や100歳くらいまで生きる可能性が結構あると思われます。

そうだとしたら、生きている限りもらえる終身年金が選べる国民年金基金を選択するのもありかもしれません。

自分自身の状況に当てはめて、決めることになるのですが、個人的には、自分で資産を運用でき、持ち運びも可能な個人型確定拠出年金をおすすめします。

個人型確定拠出年金は、持ち運びが可能ですが、持ち運び時に損をすることがあることも知っておきましょう。

確定拠出年金を企業型から、楽天証券の個人型確定拠出年金へ移換完了。移換のタイムラグによる影響は凄く大きかった

2016.12.02

【編集後期】

昨年の年の瀬に、日本税理士国民年金基金から、国民年金基金の新規加入キャンペーンの案内が届いたので、国民年金基金について書いてみました。

個人型確定拠出年金の注目度が上がってきた今となっては、国民年金基金はかなりマイナーな存在と言えるでしょう。

そんなマイナーな国民年金基金を取り上げましたが、正直、今までは自分でもあまり興味がありませんでした。

しかし、終身年金が選べるという点で、長生きしたときの保険としてアリかもしれないとは、思いました。


 

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ 千葉県生まれ、千葉県育ち。 四街道市在住。 小規模企業の節税に強い、渡邉ともお税理士事務所 代表税理士。 節税をしながら、長期の資産形成をサポート。